NYマーケットダイジェスト・20日 株まちまち・原油安・金利低下・円安

(20日終値)
ドル・円相場:1ドル=146.09円(前営業日比△0.64円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.34円(△1.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1523ドル(△0.0028ドル)
ダウ工業株30種平均:42206.82ドル(△35.16ドル)
ナスダック総合株価指数:19447.41(▲98.86)
10年物米国債利回り:4.37%(▲0.02%)
WTI原油先物7月限:1バレル=74.93ドル(▲0.21ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=3385.7ドル(▲22.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
6月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数
       ▲4.0      ▲4.0
5月米景気先行指標総合指数
(前月比)  ▲0.1%    ▲1.4%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。イスラエルとイランの軍事衝突を巡り、米国が即座に軍事介入に動くとの警戒が和らぐ中、米国株相場の上昇を背景に円売り・ドル買いが優勢となった。「米政府は中国に半導体工場を持つ同盟国への免除措置を撤回する可能性がある」との報道や、英独仏とイランの「核および地域問題」協議終了が伝わると、米国株相場が失速。ドル円も伸び悩む場面があったが、下押しは限定的だった。引けにかけては再び強含み、一時146.22円と5月29日以来の高値を更新した。
 なお、英独仏外相とイラン外相はスイスのジュネーブで会談を開き、イランの核問題などを協議した。外交的解決を目指して協議を継続することで合意したものの、イランは米国に対して強硬な姿勢を崩さず、核問題で歩み寄るかは不透明だ。
 一方、トランプ米大統領はこの日、記者団に対し「イランとは話をしている」「イランにはしばらく時間を与えている」「米国によるイラン攻撃は必要ないかもしれない」などと話した。

・ユーロドルは小幅ながら続伸。中東情勢の成り行きを見極めたいとして、積極的な売買を手控える市場参加者が多く、一進一退の展開となった。
 欧州市場序盤には一時1.1535ドルまで上昇したものの、NY市場に入ると一転売りが優勢となり24時前には1.1495ドル付近まで値を下げた。ただ、東京午前に付けた日通し安値1.1492ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。米長期金利が低下に転じたことも相場の支援材料となり、2時30分前には1.1544ドルと日通し高値を付けた。
 もっとも、英独仏とイランの協議が終了した頃から再びユーロ売り・ドル買いが優勢になると、1.1514ドル付近まで押し戻された。

・ユーロ円は続伸。トランプ米政権は19日、イスラエルと交戦するイランへの攻撃について「2週間以内」に判断する方針を表明。外交的解決の余地が残されたことを受けて、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。5時前には一時168.40円と昨年7月以来の高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに小反発。中東情勢を巡る過度な警戒が後退する中、買いが先行すると一時260ドル超上昇した。ただ、「米政府は中国に半導体工場を持つ同盟国への免除措置を撤回する可能性」との一部報道が伝わると、ハイテク株の一角に売りが出て、指数はマイナス圏に沈む場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。売り先行で始まったものの、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「これまでのところデータは良好で、これ以上利下げを長く待つ必要はない」「FRBは早ければ7月にも利下げできる状況にある」と発言すると一転買い戻しが優勢となった。

・原油先物相場は3日ぶりに小反落。イスラエルとイランは互いに攻撃を続け、中東から原油供給が途絶えるとの懸念が高まると時間外では77ドル半ばまで急騰した。もっともその後、米国が対イラン軍事行動に移るまでには一定の猶予があるとの見方から、供給不安がやや和らいだ。週末を控えたポジション調整の売りにも押され、一時73ドル前半まで下落した。

・金先物相場は反落。イスラエルとイランの交戦は続いているものの、米国は即座に軍事介入には動かないとの見方が広がった。過度な中東地政学リスクへの警戒感が後退すると、安全資産とされる金は一時3360ドル割れまで下落。ただその後、ドルが対ユーロで売られた影響を受けてドル建て金は下げ幅を縮小した。

(中村)
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